この記事では、お金はあるのに、何に使えばいいのか分からない。そんな悩みを持つ人に向けて、「正しい使い方」を探すのではなく、自分に合ったお金の使い方を見つけるための考え方と具体的な試し方を解説します。
お金はあるのに、何に使えばいいのか分からない。そんな状態になる人は少なくありません。世間ではよく、「物より体験にお金を使う」「旅行や高級レストランを楽しむ」「ラグジュアリーな消費をする」といったことが「お金が貯まった後にするお金の使い方」と言われます。
しかし、それがすべての人に合うとは限りません。実際には、「お金を使うこと」そのものを目的にしてしまうと、本来の意味を見失いやすくなります。お金は本来、自分がどんな人生を生きたいのかを実現するための手段だからです。
お金を使うことを目的にすると迷いやすい
お金の使い方で迷う人の多くは、「正しい使い方」を探しています。しかし実際には、万人にとって正解の使い方は存在しません。
例えば、旅行が好きな人、家で過ごす時間が好きな人、学びにお金を使いたい人など、それぞれ価値観が違います。そのため、世間で「良い」と言われる消費をそのまま真似しても、満足感につながらないことがあります。
自分に合うお金の使い方を見つける3つの視点
自分に合うお金の使い方を見つけるためには、いくつかの視点があります。
1. 終わった後の余韻を見る
その体験が終わったあと、「またやりたいと思うのか」「一度で満足したのか」を観察します。満足感が長く続くものは、自分の価値観に合っている可能性が高いです。
2. 他人の視線を取り除く
その体験が「自分が好きだからやりたい」のか、「周りから良く見えるからやりたい」のかを考えてみます。他人の評価を外してもやりたいと思えるなら、それは自分に合った使い方かもしれません。
3. 数回試して判断する
初めての体験は新鮮なので判断が難しいことがあります。そのため、1回だけで結論を出すのではなく、数回試してみると自分の好みが見えてきます。
体験してみて分かることもある
私自身も、「お金は経験に使うといい」と聞いて、いくつかの体験を試してみたことがあります。例えばホテルのアフタヌーンティーなどは人気のある体験ですが、私の場合は、ごみごみした空間が苦手だったので、ケーキを購入して家でゆっくり食べる時間の方が心地よいと感じました。
どちらが良い・悪いということではなく、単に自分に合うかどうかの違いです。こうした違いは、実際に試してみないと分からないことも多いものです。
「支払う瞬間」のブレーキをどう考えるか
実際には、「試してみよう」と思っても、レジで支払う瞬間にブレーキがかかることがあります。「本当にこれに価値があるのか」「無駄遣いではないか」といった声が頭の中に出てくるからです。
こういう時は、「正しい買い物をしよう」と考えるよりも、これは実験だと考える方が気持ちが楽になることがあります。実験をしないと結果は分かりません。何も試さないまま、「自分は何が好きなのか」「何を幸せだと感じるのか」を知ることは不可能だからです。
そして、仮に試してみて「思ったほど良くなかった」と感じたとしても、それをすぐに失敗だと考える必要はありません。その日の気分や天気、一緒にいる人、体調などによって、同じ体験でも感じ方は変わることがあります。
ですから、「合わなかった=失敗」と結論づけるよりも、「こういう状況の時に、このお金の使い方は自分にはあまり合わないのかもしれない」という実験のデータとして受け取るくらいでちょうどいいのかもしれません。
その時に使ったお金は無駄になったわけではなく、自分の価値観を知るためのデータを取る費用だったとも言えます。最初から正解を見つけようとするよりも、こうして少しずつデータを集めていく方が、自分に合うお金の使い方は見えてくることが多いものです。
小さな実験から始める
いきなり大きな買い物をする必要はありません。むしろ、3,000円〜1万円くらいの範囲で小さな実験をしてみる方が、自分の感覚を観察しやすくなります。
一番高いメニューを選ぶ
カフェに入ったとき、値段ではなく「今一番飲みたいもの」を基準に注文してみます。差額は数百円でも、「自分に自由を許した」という感覚が小さな自信につながることがあります。
「広告なし」の時間を買う
毎日使うアプリやYouTubeを、1ヶ月だけ有料プランにしてみます。広告に遮られない時間が、どれほど思考を静かにしてくれるかを知る実験です。
プロによるメンテナンスを頼む
靴磨き、楽器の調整、万年筆の洗浄など、自分が大切にしているものをプロの手に委ねてみます。見違えるように整っていく過程を見るのは、意外と満足感の高い体験です。
高級ホテルのラウンジで仕事をしてみる
飲み物代は2,000円するかもしれません。しかし、その静かな空気の中で思考する1時間は、普通のカフェでの3時間より濃密に感じることがあります。
こうした小さな実験を重ねることで、「これは心地よい」「これはそこまででもない」という自分の感覚が少しずつ見えてくるでしょう。お金の使い方は、最初から正解を見つけるものというより、試しながら自分の基準を作っていくものなのかもしれません。
それでもブレーキが外れない場合
それでもどうしてもブレーキが外れないことがあります。「頭では分かっているのに、どうしてもお金を使うのが怖い」と感じる場合、そこにはお金に対するメンタルブロックが影響している可能性もあります。
例えば、「お金を減らしてはいけない」「贅沢をしてはいけない」「お金は守るもの」といった価値観が、無意識の中に強く残っていることがあります。その場合は、無理に使おうとするよりも、まずその前提を整理していく方が楽になることもあります。
もし興味があれば、そうしたテーマを整理していくためのプログラムとして、私が運営しているテリ塾です。
お金の使い方のゴール
お金の使い方のゴールは、たくさん使えるようになることではありません。本当に大切なのは、
・自分は何に喜びを感じるのか
・どんな時間が心地よいのか
・どこにお金をかけたいのか
を言語化することです。そして、自分だけの「至福のスタンダード」を作っていくことなのだと思います。
最後にひとつ質問です
もし、今あなたに1万円を自由に使えるとしたら、誰にも見られない場所で、本当に自分のためだけに使うなら、何に使うでしょうか。
その答えの中に、あなたにとってのお金の使い方のヒントが隠れているかもしれません。
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